シロアリ被害は深刻な問題ですが、本当に駆除は必要ないのでしょうか。シロアリを放置するとどうなるのか、また、自分でできるシロアリ対策にはどのような方法があるのかを知っておくことが大切です。
特に一軒家に住んでいる場合、駆除の値段がどのくらいかかるのか、また、補助金を利用できるのかも気になるところではないでしょうか。
シロアリ駆除の必要性は、被害の進行度や住宅の状態によって異なります。築10年以上の住宅では被害が進行しやすく、適切な対策を行わなければ家の耐久性が低下する可能性があります。
自分でできる対策もありますが、正しい方法を知らなければ十分な効果を得られません。そのため、業者による駆除方法や、信頼できる業者の選び方についても理解しておくことが重要です。
この記事では、シロアリを駆除しないとどうなるのか、駆除の必要性や予防策、業者の選び方まで詳しく解説します。適切なシロアリ対策を行い、大切な住まいを守るための知識を身につけましょう。
- シロアリを駆除しないと住宅にどのような被害が発生するか
- 自分でできるシロアリ対策の方法とその限界
- シロアリ駆除が必要なケースと不要なケースの判断基準
- 業者による駆除方法や費用相場、補助金の有無
シロアリ駆除は本当に必要ないのか?再発のリスクを解説
- シロアリ駆除をしないとどうなる?被害の実態
- シロアリ対策を自分でする方法と注意点
- 駆除しなくてもいい?被害レベルの判断基準
- 予防策だけで大丈夫?シロアリ対策の限界
シロアリ駆除をしないとどうなる?被害の実態

シロアリを放置すると、家の耐久性が大きく損なわれる可能性があります。特に木造住宅では、見えない部分で柱や床下の木材が食害され、気づいたときには修復が困難な状態になっていることもあります。
例えば、床が軋む、壁にひび割れが生じる、ドアや窓の開閉がしづらくなるといった症状が現れた場合、すでにシロアリ被害が進行している可能性が高いです。
さらに、耐震性の低下も無視できません。木材の強度が低下すると、大きな地震が発生した際に倒壊リスクが高まるため、放置は非常に危険です。
また、シロアリの被害は建物だけにとどまりません。屋内に侵入したシロアリが家具や畳を食害するケースもあり、被害が拡大すれば、修理や交換に多額の費用がかかります。
このように、シロアリを放置すると被害は拡大する一方です。定期的な点検と早期対応が、被害を最小限に抑えるために必要不可欠です。
シロアリ対策を自分でする方法と注意点

自分でできるシロアリ対策にはいくつかの方法がありますが、完全な駆除や予防には限界があるため、注意が必要です。
まず、手軽にできる方法として 木部処理剤や防蟻スプレーの使用 があります。これはホームセンターなどで購入でき、被害の疑いがある場所や、床下の木材に塗布することで予防効果が期待できます。
ただし、すでにシロアリが内部に侵入している場合は、表面の処理だけでは根本的な解決になりません。
また、床下の湿気対策 も重要です。シロアリは湿気を好むため、換気を良くすることが予防につながります。床下換気扇の設置や除湿剤の使用、基礎部分の通気口の確認などが有効です。庭の木材やダンボールを地面に直置きしないことも、シロアリの侵入を防ぐポイントになります。
しかし、自分での対策には限界があるため、見えない部分の被害を見落とす可能性がある ことを理解しておくべきです。
特に、すでにシロアリが発生している場合は、業者による駆除を検討することをおすすめします。自己判断で対策を進めると、見えない部分で被害が拡大し、結果的に修理費が高額になるケースもあります。
駆除しなくてもいい?被害レベルの判断基準
シロアリ駆除が本当に必要なのか、自分で判断するのは難しいですが、被害レベルを見極めるポイントはいくつかあります。
軽度の被害 の場合、すぐに駆除をしなくても大きな問題にはならないケースもあります。例えば、木材の表面に軽微なかじられた跡があるが、内部までは侵食されていない場合 や、シロアリが確認されていない場合です。この場合は、早めの予防策を取ることで被害の拡大を防ぐことができます。ただし、見えない箇所に潜んでいる可能性もありますし、自分では侵入経路を見つけられない可能性もありますので注意が必要です。
一方で、駆除が必要なレベル には以下のような兆候があります。

- 家のあちこちで羽アリが大量に発生している(特に春から夏)
- 床がブカブカする、または沈む感覚がある
- 柱や床下の木材を叩くと空洞音がする
- 家の構造部分に目に見えて食害の跡がある
これらの症状がある場合は、シロアリがすでに内部まで侵入している可能性が高く、放置すると建物の耐久性に影響を与えるため、速やかに業者に相談することが推奨されます。
また、シロアリ被害は目に見えない部分で進行することが多いため、素人判断では「問題ない」と思っていた場所が、実は深刻な被害を受けている可能性もある ことを理解しておく必要があります。
定期的な点検を行い、必要に応じて専門家の意見を取り入れることが重要です。
予防策だけで大丈夫?シロアリ対策の限界

シロアリの発生を防ぐためには予防策が重要ですが、それだけで完全に被害を防げるわけではありません。
予防策として有効なのは、湿気対策・木部処理・家の構造チェック などです。例えば、床下の換気を良くし、湿度を抑えることでシロアリが繁殖しにくい環境を作れます。また、防蟻処理を施した木材を使用することや、基礎部分の点検を定期的に行うことも有効です。
しかし、これらの対策をしていても 100%シロアリの侵入を防ぐことはできません。なぜなら、シロアリは外部から侵入し、わずかな隙間からでも建物内部に入り込むからです。特に築年数が経過した家では、経年劣化によってわずかなヒビや隙間が生じることがあり、そこからシロアリが侵入する可能性があります。
また、一度シロアリが発生してしまった場合、予防策だけでは駆除が難しく、被害が進行する恐れがあります。シロアリは群れを作り、巣を形成するため、発見が遅れると被害の範囲が広がりやすいのです。そのため、「まだ被害が出ていないから大丈夫」と油断せず、定期的な点検と必要に応じた駆除を行うことが重要 です。
結論として、予防策だけでは完全な対策とはならず、定期的な点検と専門家による判断が必要不可欠 だと言えます。シロアリ対策を怠ると、気づいたときには大規模な修繕が必要になる可能性もあるため、適切な管理を行いましょう。
シロアリ駆除が必要?必要ない?判断後のポイント
シロアリ駆除が必要だと判断した場合、気になるのは方法や費用、業者の選び方ですよね。ここからは駆除が必要だと判断した方向けに、方法や業者の選び方を詳しくお伝えしていきます。
- 一軒家のシロアリ駆除の値段相場はどのくらい?
- 業者の駆除方法を知る!種類と特徴を比較
- シロアリ駆除は5年ごとに必要?メンテナンスの重要性
- 駆除費用を抑えたい!補助金はあるの?
- シロアリ駆除の業者選び方のポイント
- シロアリ被害を防ぐための定期点検の重要性
業者の駆除方法を知る!種類と特徴を比較

シロアリ駆除には 「バリア工法」「ベイト工法」などの方法があり、それぞれに特徴があります。
駆除方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
バリア工法(薬剤散布) | 速効性があり、比較的安価(約1,515円〜3,030円/㎡) | 効果が約5年と限られるため、定期的な再施工が必要 |
ベイト工法(毒餌設置) | 家を傷つけず、周囲の環境にも優しい | 効果が出るまでに時間がかかり、費用がやや高め(約1,820円〜3,640円/㎡) |
シロアリの被害状況や建物の構造に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
一軒家のシロアリ駆除の値段相場はどのくらい?
駆除の費用は、建物の構造や被害の程度、使用する薬剤や工法によって大きく変わります。一般的な 一軒家(30坪前後)の駆除費用の相場は10万〜30万円程度 です。
費用の主な内訳 は以下の通りです。
駆除方法 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
バリア工法(薬剤散布) | 5,000円〜10,000円/坪 | 木材や床下に薬剤を散布し、シロアリの侵入・繁殖を防ぐ。即効性があるが効果は約5年。 |
ベイト工法(毒餌設置) | 6,000円〜12,000円/坪 | シロアリが毒餌を巣に持ち帰り、巣ごと駆除。効果は高いが時間がかかる。 |
深刻な被害(家全体の駆除・補修) | 30万円以上 | 既に大きな被害がある場合、広範囲に駆除と補修が必要。施工期間や費用が大きくなる。 |
また、シロアリ駆除は一度実施すれば終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要 です。業者によっては、5年間の保証付き で駆除を行う場合もあり、保証期間内であれば追加費用なしで再施工できるケースもあります。
ただし、駆除費用だけを基準に業者を選ぶと、必要な処置が不十分になる可能性もあるため、価格とサービス内容を比較しながら慎重に判断することが大切です。
シロアリ駆除は5年ごとに必要?メンテナンスの重要性

シロアリ駆除の効果は 一般的に5年程度 とされています。これは、使用する薬剤の効果が年数とともに薄れるためであり、5年ごとの再施工が推奨される理由 でもあります。
シロアリのリスクを減らすためには、定期点検を行い、必要に応じて予防処置を施すことが重要 です。特に以下のような場合は、5年を待たずに対策を検討するべきでしょう。
- 床下が湿気でジメジメしている(シロアリが発生しやすい環境)
- 周囲でシロアリ被害の報告がある(近隣で発生すると家に侵入する可能性が高まる)
- 過去にシロアリ被害があった(再発しやすい傾向がある)
長期間放置すると、再びシロアリが侵入し、被害が拡大する恐れがある ため、定期的なメンテナンスを怠らないことが大切です。
駆除費用を抑えたい!補助金はあるの?
シロアリ駆除には一定の費用がかかりますが、2025年現在、シロアリ駆除に補助金や助成金はありません。自治体によってはスズメバチなどの駆除に助成金を出しているところもありますが、シロアリ駆除は今のところ対象外です。
シロアリ駆除の業者選び方のポイント

シロアリ駆除を依頼する際、業者選びはとても重要です。悪質な業者を避け、信頼できる業者を選ぶためのポイントを紹介します。
1. 見積もりを複数社で比較する
1社だけで決めず、最低でも2〜3社の見積もりを取り、料金や施工内容を比較 しましょう。安すぎる業者には注意が必要です。
2. 保証期間の有無を確認する
施工後、万が一シロアリが再発した場合に備えて、保証がある業者を選ぶ のが安心です。一般的には 5年間の保証付き で施工を行う業者が多いです。
3. 実績や口コミをチェックする
施工実績の豊富な業者は、それだけ信頼されている証拠です。口コミや評判をチェックし、対応の良い業者を選びましょう。
4. 訪問販売や強引な営業には注意

「今すぐ駆除しないと家がダメになる」と煽る業者は信用できません。適切な診断と説明をしてくれる業者を選ぶことが大切 です。
見積もりに来てもらった後だと申し訳なく思い断れない方もいると思いますが、2~3社の見積もりを完了させてから判断することをお勧めします。
「今即決していただければ〇〇円安くしますよ!」などの営業トークがあっても、納得できる金額でない場合には「あと2社にも見積もりをお願いしているので、終わってから検討させてもらいます。」「今は決められません。」とはっきりと伝えましょう。
シロアリ被害を防ぐための定期点検の重要性
シロアリの被害を未然に防ぐためには、定期的な点検が欠かせません。被害が進行すると修理費用が高額になるため、早期発見・早期対策が経済的にも有利 です。
定期点検の頻度の目安
- 新築住宅や駆除後の家 … 5年ごとに点検
- 築10年以上の住宅 … 2〜3年ごとに点検
- 過去にシロアリ被害の経験がある家 … 毎年点検
専門業者による点検では、床下の状態や木材の劣化具合を確認し、必要に応じて防蟻処理を施します。
また、自分でできるチェック方法 として、床や柱を叩いてみて「空洞音がする」「床が沈む感じがある」場合は要注意です。こうした兆候を見つけたら、速やかに業者に相談することをおすすめします。
下記のデータを見ても、防蟻処理の保証が切れた後にシロアリ被害が発生しやすいことが分かります。
この図より、A区分の建物、すなわち保証が切れた物件はその後に再処理をしなければ、指数関数的に被害が増大することが分かる。それに対してB区分の建物、すなわち保証期限内の物件は、築年数 10 年未満の建物であれば被害発生率はほぼ 0%であるが、築年数が 10 年以上になると被害発生率が 4~6%に上昇してくる。
業者に見積もりしてもらう場合には、駆除後のケアについても良く確認しておく必要があります。
費用を抑えるために自分で駆除しても、見えない部分に隠れていることもあるシロアリ。被害が大きくなってからでは、かかる費用も比例して高くなるため、心配な場合には早めに業者にチェックしてもらうのが安心かもれしません。
シロアリ駆除は本当に必要ないのか?判断と注意点
- シロアリを放置すると家の耐久性が低下し、耐震性にも影響を与える
- 被害が進行すると修復費用が高額になり、大規模な工事が必要になる可能性がある
- 床が軋む、柱がスカスカするなどの症状が出たらシロアリ被害の疑いがある
- 自分でできるシロアリ対策には限界があり、見えない部分の被害を見落とすリスクがある
- 床下の湿気対策はシロアリ予防に有効だが、完全に侵入を防ぐことは難しい
- 木部処理剤や防蟻スプレーは一定の効果があるが、内部まで侵入したシロアリには効かない
- 被害レベルが軽度であれば様子を見る選択肢もあるが、専門家の診断が推奨される
- 羽アリの大量発生や床の沈み込みは、駆除が必要な被害レベルのサイン
- 予防策だけではシロアリの完全な侵入防止は難しく、定期点検が不可欠
- シロアリ駆除の相場は一軒家30坪で10万〜30万円程度
- 業者の駆除方法には「バリア工法」「ベイト工法」があり、それぞれ特徴が異なる
- シロアリ駆除の効果は5年程度で薄れるため、再施工が推奨される
- 補助金制度はシロアリに対しては現在はない
- 業者選びでは見積もりの比較、保証の有無、実績の確認が重要
- シロアリ被害を防ぐためには、2〜3年ごとの定期点検を実施すべき
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