家の中で気づかぬうちに発生してしまうネズミの被害。退治しようと罠にかける際に、「ネズミは何を食べるのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ネズミは雑食性であり、大好物となる食べ物はもちろん、野菜や砂糖を含む甘いもの、さらには虫なども食べることがあります。家庭内では、私たちが気を抜いたわずかな食べ残しや食品が、ネズミの標的になってしまうこともあります。
ネズミを罠におびき寄せるエサの選び方や、餌なしで何日生きるのかという知識も、効果的な駆除に役立ちます。さらに、ネズミの食習性を理解すれば、来なくなる方法のヒントも見えてきます。
この記事では、「ネズミ は 何を食べる?」という疑問に答えるとともに、ネズミが好んで食べる野菜や野生での食べ物、家の中 何を食べているかといった具体例まで幅広く紹介します。ネズミ被害に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- ネズミの種類ごとの食べ物の違い
- 家の中や野生でネズミが食べる物の傾向
- ネズミの好物や効果的な罠用エサの選び方
- 食べ物管理によるネズミ対策の基本方法
ネズミは何を食べる?好物から苦手な物まで
- ネズミの種類によって異なる食性
- ネズミのフンの特徴
- ネズミが好んで食べる野菜とは
- ネズミの大好物として知られる食べ物
- ネズミは砂糖を食べるって本当?
- 野生のネズミが食べるものとは
ネズミの種類によって異なる食性
ネズミの食性は、種類によって大きく異なります。これは生息環境や生活習慣が関係しているためです。
ネズミはどんな動物か?種類と生態
日本では、20数種類のネズミが知られています。
家屋内やその周辺で見かけるのは次の3種類です。引用:ネズミについて – 横浜市
ドブネズミ | クマネズミ | ハツカネズミ | |
---|---|---|---|
体長 | 約20~30cm | 約15~25cm | 約5~10cm |
体の特徴 | ・ずんぐりした体型 ・しっぽが短い | ・しっぽが体より長い ・スリム | ・小型 ・耳が大きい ・細長い体 |
生態 | ・攻撃的 ・泳ぎが得意 ・水辺での活動が多い | ・高所を好む ・警戒心が強い ・夜行性 ・動きが素早い | ・すばしっこい ・狭い隙間を通り抜ける ・夜行性 ・単独行動が多い |
生息場所 | ・下水 ・台所の下 ・ゴミ捨て場 ・河川敷 ・地下室 ・湿った場所など | ・天井裏 ・屋根裏 ・倉庫 ・ビルの上階など | ・壁の中 ・家具のすき間 ・倉庫 ・農地 ・草むらなど |
特徴 | ・繁殖力が高い ・集団で生活することが多い | ・運動能力が高い ・ジャンプ力がある ・壁をよじ登る | ・繁殖力が非常に高い ・短期間で増える |
主な食べ物 | ・肉、魚類 ・生ゴミ ・昆虫 ・穀物 ・雑食 | ・穀類 ・果物 ・種子、ナッツ ・人間の食べ残し | ・穀類 ・野菜、果物 ・昆虫 ・小動物 |
好みの環境 | ・湿った環境 ・水辺 ・ゴミが多い場所 | ・乾燥した場所 ・高所 ・閉鎖空間 | ・農地 ・屋内の狭い空間 ・暖かい場所 |
種類ごとに栄養源の優先順位や食べ物の好みが異なるため、駆除や対策を考える際には、ネズミの種類を特定することが重要です。
ネズミのフンの特徴
ネズミが姿をあらわさない場合には、フンで種類を特定することも出来ます。
- クマネズミの糞
細長く、両端が尖っているのが特徴。天井裏や高所で見つかることが多い。 - ドブネズミの糞
太く、両端が丸みを帯びている。湿った場所や台所周辺で多く発見される。 - ハツカネズミの糞
小さく、米粒のような形。家の隅や倉庫、家具の裏などに見られる。
ネズミの糞は 侵入経路や生息場所を特定する手がかりになるため、種類を見分けることで適切な駆除対策が立てやすくなります。
ネズミが好んで食べる野菜とは

ネズミはさまざまな野菜を食べますが、中でも甘みや香りの強いものを特に好みます。
例えば、ニンジンやカボチャ、サツマイモなどはネズミにとって魅力的な野菜です。これらは糖分が多く含まれており、エネルギー源として効率がよいことが関係しています。
また、トマトやキュウリのように水分の多い野菜も好まれやすく、特に水が不足している環境では水分補給の代わりとして食べられることがあります。
ただし、ネズミが野菜を食べるからといってそれを餌として置いておくと、逆に呼び寄せてしまう原因にもなります。野菜くずを放置しないことが大切です。
ネズミの大好物として知られる食べ物

ネズミの大好物は、高カロリーかつ香りの強い食品です。中でもチーズ、ナッツ類、穀物、パンなどはよく知られています。
特にチーズはネズミのイメージとしてよく登場しますが、実際には香りの強さが誘因となっているだけで、チーズが一番好きというわけではありません。
それよりも、ナッツやチョコレートのような脂質と糖質が豊富なものの方が、強い嗜好性を示すケースもあります。
罠のエサとして使う場合も、これらの食品を選ぶことで高い効果が期待できますが、食べ物をそのまま放置するのはネズミの侵入を招く原因となるため注意が必要です。
ネズミは砂糖を食べるって本当?

ネズミは砂糖を食べます。正確には、砂糖そのものというよりも、砂糖を含む甘い食品を好む傾向があります。
その理由は単純で、糖分はネズミにとって手っ取り早くエネルギーを得られる栄養源だからです。たとえば、クッキーやチョコレート、甘い果物などには強く引き寄せられます。
ただし、砂糖自体に栄養のバランスはないため、ネズミは甘いものだけで生きているわけではありません。たんぱく質や脂質も必要としており、バランスの取れた摂食行動を示します。
そのため、甘いものを家に放置することは、ネズミの侵入リスクを高める要因の一つと言えるでしょう。
野生のネズミが食べるものとは

野生のネズミは、周囲にあるあらゆるものを食べる雑食性です。都市部か自然環境かによっても食べ物の内容は変わります。
自然環境に住むネズミは、種子、果実、昆虫、小動物の死骸などを中心に食べています。また、樹皮や根をかじることもあり、農作物への被害をもたらすこともあります。
一方で、都市部に住む野生ネズミは、人間の食べ残しやゴミ、ペットフードなどを漁ることが多く、食の選り好みが少ないのが特徴です。
このように、野生ネズミの食性は環境に大きく左右され、何でも食べる傾向があるため、徹底した管理が求められます。
ネズミは何を食べる?家庭内の対策と注意点
- 家の中でネズミが何を食べているか
- ネズミは虫も食べる?意外な好物とは
- 餌なしでネズミは何日生きるのか
- ラットサインを見つけて罠を設置する方法
- ネズミを罠におびき寄せるエサの選び方
- 粘着シートにエサを置く場合の注意点
- ネズミが来なくなる方法と食べ物管理
家の中でネズミが何を食べているか

ネズミは、家の中にあるさまざまな食べ物を狙って行動します。特に人間の食べ残しや保管の甘い食品は格好の標的です。具体的には、パンやお菓子、米や乾麺などの穀類、さらにはペットフードまで幅広く食べられています。
これには、ネズミの雑食性が関係しています。ネズミは空腹を感じれば何でも食べようとするため、包装の甘い食品や、ゴミ箱の中の生ゴミにも手を出します。また、ダンボールや壁材をかじるのは、食べるというより歯の伸びすぎを防ぐ本能的な行動です。
こうした状況を防ぐには、食品の密封保存と清掃が基本です。特に夜間、キッチンやリビングに食べかすを残さないよう注意しましょう。
ネズミは虫も食べる?意外な好物とは

ネズミは雑食性のため、条件次第では虫も食べます。これは特に野生のネズミや、食べ物が限られた環境下でよく見られる行動です。例えば、小型の昆虫やその幼虫、クモなどが対象になります。
虫を食べる理由は、動物性タンパク質の補給です。とくにドブネズミなどは、湿った場所に生息することが多く、虫との遭遇機会も多いため、このような食生活になりやすいと考えられます。
ただし、ネズミの主食が虫というわけではありません。あくまで、他の食料がない時の代替手段として虫を食べるケースが多いです。
餌なしでネズミは何日生きるのか

ネズミは非常にエネルギー消費が早い動物であり、餌なしでは数日しか生きられません。一般的には、3~4日で弱り始め、1週間以上も食べ物がなければ死亡することが多いです。
この背景には、ネズミの代謝の速さが関係しています。彼らは常に動き回っており、そのぶん多くのカロリーを必要とします。特に冬場は、体温維持のためにさらに多くのエネルギーを消費します。
したがって、ネズミを追い出す・駆除する対策として、食べ物を完全に断つ方法も有効です。家の中の食材や生ゴミをきちんと管理することで、ネズミの居場所を減らせます。
ラットサインを見つけて罠を設置する方法

ネズミの存在を確認するためには、「ラットサイン」と呼ばれる痕跡を見つけることが重要です。ラットサインは、ネズミが活動した証拠であり、発見できれば早期対策につなげることができます。
まず最もわかりやすいのが、フンの発見です。ネズミの種類によって形状や大きさが異なりますが、一般的には黒っぽくて細長いフンが多く、特に壁際や物陰に集中して見られることが多くなります。
次に注目したいのが、かじり跡です。ネズミは常に歯が伸びるため、さまざまな物をかじる習性があります。電気コード、木材、食品包装などに不自然な傷が見られる場合は、ネズミの可能性があります。
また、足跡や尻尾の跡にも注意が必要です。ホコリが積もった床や棚の上に、小さな足跡やスッと伸びた線状の跡があれば、それは尻尾を引きずって歩いた痕と考えられます。
他にも、尿のシミや独特の臭いも見逃せません。ネズミの尿は強いアンモニア臭を放ち、家具の裏や床下などで異臭がする場合は、活動している可能性があります。紫外線ライトを使えば、尿の跡を視認することも可能です。
さらに、壁や家具の角に見られる体毛のこすれ跡もラットサインの一つです。ネズミが同じルートを繰り返し移動することで、体毛の脂が付着し、黒っぽい汚れとなって現れます。
これらのラットサインを見つけることで、ネズミの種類や通り道、巣の場所を予測しやすくなります。日常的に清掃を行いながら、こうした痕跡がないか観察することが、早期発見・早期対策の第一歩です。
ネズミを罠におびき寄せるエサの選び方

ネズミを効率よく捕まえるためには、罠の設置場所だけでなく「どんなエサを使うか」も非常に重要です。適切なエサを選ぶことで、ネズミを罠に引き寄せやすくなり、駆除の成功率が大きく変わります。
ネズミは雑食性で多くの食べ物に興味を示しますが、特に油分・糖分・香りの強いものを好む傾向があります。例えば、ピーナッツバター、チョコレート、ナッツ類、ドライフルーツなどは、強い香りと高カロリーの成分が含まれており、ネズミを強く引きつけます。
また、チーズがエサとして有名ですが、実は種類によってはネズミがあまり興味を示さないこともあります。特に乾燥したタイプのチーズはにおいが少ないため、効果が薄れることがあります。そのため、できるだけ香りの強い食材を選ぶのが効果的です。
一方で、生ものや水分の多い食品は避けた方が良いでしょう。これらはすぐに腐敗し、悪臭や虫の発生につながるリスクがあります。加えて、ネズミにとっても食べにくく、罠への誘導力が下がることがあります。
罠に使用するエサは、少量を罠の中心部にしっかりと固定することがポイントです。ネズミがエサを簡単に持ち去れてしまうような状態では、罠が作動せずに終わってしまう可能性があります。できるだけ罠のトリガー部分に密着させるようにすると、確実性が高まります。
さらに、周囲の環境に合ったエサを選ぶことも効果的です。たとえば、家庭内でよく見つかる食品や、すでにネズミがかじった形跡のある食べ物と同じ種類のものを使うと、警戒心が薄れて誘引しやすくなります。
このように、ネズミを罠にかけるためには、「好みの傾向」「腐りにくさ」「設置の仕方」を意識したエサ選びが欠かせません。工夫次第で、罠の効果は大きく変わります。
粘着シートにエサを置く場合の注意点

粘着トラップはネズミを捕獲するうえで効果的な手段ですが、正しく使わなければ十分な成果が得られないこともあります。特に設置方法やタイミングには注意が必要です。下記では注意点をまとめていますのでご確認ください。
粘着トラップに餌を置かない
まず、粘着トラップに餌を置かないようにしましょう。
ネズミは走り回っている際に粘着シートに足を取られて転んだ際に体がくっつき、しっかりと捕獲することが出来ます。
餌を置いておくとにおいに引き寄せられ、一時的に立ち止まることでスピードが落ちます。これにより粘着面に勢いよく踏み込まず、粘着力が十分に働かない可能性があります。
結果として、捕獲に失敗して逃げられるケースもあるため、餌の使用は避けた方が賢明です。
粘着シートの存在に慣れさせる
次に、設置の仕方にも工夫が必要です。いきなり粘着面をむき出しにした状態でシートを置くと、ネズミが警戒して近づかないことがあります。
こうしたときは、まず粘着面を隠した状態で数日間置いておきます。ネズミがその場所を安全だと判断し始めたタイミングで粘着面を露出したシートに切り替えると、捕獲できる確率が高まります。
粘着シートの設置場所
また、設置場所の選定も重要なポイントです。ネズミは壁沿いに移動する習性があるため、壁際や家具の隙間など、よく通りそうなルートに設置しましょう。通路の中央など開けた場所では警戒して避けられる場合があります。
その他の注意点
加えて、捕獲後の早めの処理も大切です。ネズミがかかった状態で放置すると、悪臭や衛生面で問題が生じる可能性があります。他のネズミが死骸を見て警戒することもあるため、毎日シートを確認し、速やかに対処することが必要です。
さらに、子どもやペットのいる家庭では設置場所に注意しましょう。粘着面は強力で、一度付着すると取り除くのが困難です。誤って触れてしまうリスクを避けるためにも、人目につかない場所に設置するのが理想です。
このように、粘着シートを使う際は餌を使わず、段階的に警戒心を解く方法を取り入れつつ、設置場所や安全性にも配慮することで、より効果的なネズミ対策が可能になります。
ネズミが来なくなる方法と食べ物管理

ネズミの侵入を防ぐには、まず食べ物の管理が基本です。なぜなら、ネズミはエサの匂いを頼りに行動するからです。食品は密閉容器に保管し、ペットフードも出しっぱなしにしないようにしましょう。
加えて、家の構造自体を見直すことも重要です。ネズミはわずか1.5cmほどの隙間からでも侵入できるため、壁の穴や通気口、配管まわりなどをふさぐ必要があります。
さらに、清掃状態を保つことで、ネズミの居心地を悪くできます。ゴミを溜めず、床や棚の食べかすをこまめに掃除することが効果的です。
このように「入らせない・住みにくくする・食べ物を与えない」という3つの観点から対策を講じることで、ネズミの再侵入を防げます。
ネズミは何を食べるのかを総括
- ネズミは雑食性で基本的に何でも食べる
- ネズミの食性は種類ごとに異なる
- クマネズミは穀物や乾燥食品を好む
- ドブネズミは生ゴミや肉類に引き寄せられる
- ハツカネズミは種子や果物をよく食べる
- 甘い野菜や水分の多い野菜を好む傾向がある
- ナッツやチョコレートは罠用エサとして効果的
- ネズミは砂糖を含む甘い食品にも強く惹かれる
- 野生のネズミは環境に応じて昆虫や小動物も食べる
- 家の中ではパンや米など保存食品が狙われやすい
- 虫も捕食対象になるが常食ではない
- 餌がないと数日で弱り、1週間程度で死ぬこともある
- ラットサインから行動範囲や種類を推測できる
- 粘着トラップに餌は使わず警戒心を解いてから設置する
- 食品管理・清掃・侵入口の封鎖がネズミ対策の基本