ハクビシンの駆除補助金を活用する流れ＆注意点

ハクビシンの駆除には高額な費用がかかることが多いですが、市役所の補助金を活用すれば負担を軽減できます。ただし、自治体ごとに条件が異なるため、事前の確認が必要です。

また、駆除を依頼する際は悪徳業者に注意し、適正な価格で信頼できる業者を選びましょう。自分で駆除を考えている方もいますが、ハクビシンは鳥獣保護法の対象であり、無許可の捕獲は違法です。バルサンも効果が期待できないため、正しい方法で対策することが重要です。

この記事では、ハクビシン駆除補助金の申請方法、駆除の仕方、費用相場、業者の選び方などを詳しく解説します。

ハクビシン駆除の補助金が使える自治体とは？

ハクビシン駆除の補助金を出している自治体は？

ハクビシンの駆除に補助金を出している自治体は、一部の市町村や都道府県に限られます。自治体ごとに条件が異なるため、事前に確認が必要です。

例えば、東京都や山形県、愛知県の市町村では、駆除費用の一部を助成しているケースがあります。

東京都の場合

1　補助対象者

1. 農業協同組合（JA）
2. 区市町村

2　事業内容

（1）加害獣侵入防止対策

ハクビシン等の中型獣からの被害を回避するため、ネット・ワイヤーメッシュと簡易電気柵を組み合わせた防除施設の導入・設置に係る経費を助成します。（補助率3分の2）

（2）普及啓発支援

（1）の加害獣侵入防止対策により防除施設を導入する地域において、JA等が、区市町担当者や農業者等が参加する協議会を設置し、防除等に係る研修会や講習会等の開催をする場合に、必要な経費を支援します。（補助率10分の10）

（3）捕獲支援

農地及びその周縁部で捕獲を進めるため、捕獲・処分に係る経費を支援します。（補助率2分の1）

引用：ハクビシン等の農作物被害軽減の取組を支援 – 東京都

山形県山形市の場合

・補助対象事業は、タヌキ・ハクビシンの被害を防止するために、箱わなによる捕獲等を自己の費用負担により、有害鳥獣駆除業者に依頼して実施する事業が対象となります。

補助金額
タヌキ・ハクビシンの捕獲等を有害鳥獣駆除業者に依頼するにあたって要する経費の2分の1
※上限は1万5千円となります。

引用：山形県山形市「タヌキ・ハクビシン捕獲等費補助事業について」

愛知県日進市の場合

防護柵などの設置費補助
防護柵の資材費に補助をします。
イノシシやハクビシンなど有害獣による農作物の被害を防止し、農業生産の維持及び向上を図るため、農作物の防護を目的とするワイヤーメッシュ柵や金網柵などの防護柵の設置に要する経費の一部に対し、予算の範囲内で補助します。

補助金の額
防護柵の購入金額の1/2以内を補助します。
上限は5万円まで。

引用：日進市「有害獣対策」

補助金の対象となる費用には、専門業者による駆除作業や防除対策が含まれることが多いですが、すべての自治体で適用されるわけではありません。

また、補助金を受けるには、事前申請が必要な場合があるため、早めに自治体の公式サイトや窓口で確認することが重要です。

ハクビシン駆除の補助金を申請する際の注意点

補助金を申請する際には、いくつかのポイントに注意が必要です。

補助金を活用したハクビシン駆除の申請方法と手続きの流れ

ハクビシンの駆除には高額な費用がかかる場合があるため、自治体の補助金を活用することで経済的な負担を軽減できます。

しかし、補助金を受け取るには、適切な手続きを踏む必要があります。ここでは、補助金の申請方法の一例と駆除の流れを解説します。（下記の流れは一例であり、実際の流れはお住まいの自治体で確認の上進めてください。）

1. 市役所や自治体の窓口で補助金の有無を確認する

まず、自分の住んでいる自治体にハクビシン駆除の補助金制度があるかどうかを確認しましょう。自治体の公式サイトや市役所・役場の窓口で調べることができます。

補助金の有無だけでなく、適用条件や対象者の制限、助成額の上限なども確認しておくことが重要です。

自治体によっては、「害獣駆除全般の補助金」として制度が設けられている場合もあるため、ハクビシンに特化した補助金がない場合でも、広く害獣駆除に関する補助制度がないかチェックしましょう。

2. 駆除業者の選定と見積もりの取得

補助金を申請するには、駆除業者の見積書が必要になるケースがほとんどです。

自治体によっては、登録された業者のみ補助金の対象となる場合があるため、事前に指定業者リストを確認し、補助金適用可能な業者を選ぶようにしましょう。

また、悪徳業者による高額請求を防ぐためにも、複数の業者から見積もりを取得し、適正な価格かどうかを比較することをおすすめします。

見積書の金額や作業内容をよく確認し、追加費用が発生しないかどうかを業者に確認しておくと安心です。

3. 補助金の申請手続き

補助金を受け取るためには、自治体へ申請を行う必要があります。申請の際に必要な書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のようなものが求められます。

• 補助金申請書（自治体指定のフォーマット）
• 駆除業者の見積書
• 駆除依頼契約書（業者との契約内容を証明する書類）
• 本人確認書類（運転免許証やマイナンバーカードなど）
• 被害状況を示す写真や報告書（必要な場合のみ）

一部の自治体では、現地調査が必要になることもあるため、事前に手続きの流れを市役所の担当窓口で確認しておくとスムーズです。

4. 申請の審査と承認

補助金の申請が受理されると、自治体で審査が行われます。審査期間は自治体によって異なりますが、1週間～数週間程度かかる場合が多いです。

審査の結果、申請内容に問題がなければ補助金の適用が承認され、正式に駆除作業へ進むことができます。

注意点として、自治体によっては「事前申請が必須」のところもあります。すでに駆除を実施してしまった後では補助金を受けられない可能性があるため、必ず事前に申請を済ませてから作業を依頼するようにしましょう。

5. 駆除作業の実施

補助金の承認が下りたら、駆除業者に正式に依頼し、作業を行います。業者による駆除作業では、以下のような方法が採用されることが一般的です。

• 捕獲トラップの設置（ハクビシンを捕獲し、適切な方法で処理）
• 忌避剤の散布（ハクビシンを寄せ付けないための薬剤を使用）
• 侵入経路の封鎖（家屋への再侵入を防ぐための施工）

駆除作業後は、業者が作業報告書を作成することが多いため、補助金申請の際に必要な書類としてしっかり保管しておきましょう。

6. 駆除完了後の補助金受給手続き

駆除作業が完了したら、補助金を受け取るための手続きを進めます。自治体によって異なりますが、以下のような書類を提出する必要があります。

• 駆除業者の領収書（作業費用を支払ったことを証明する書類）
• 作業報告書（業者が作成した駆除内容の詳細報告）
• 補助金交付申請書（自治体指定の書類）

自治体の審査が完了すると、指定の銀行口座へ補助金が振り込まれます。

ただし、自治体によっては補助金の振込までに数週間～数ヶ月かかる場合もあるため、事前に支給時期を確認しておくと良いでしょう。

7. 補助金を活用する際の注意点

補助金を申請する際には、いくつかの注意点があります。

• 補助金の上限額に注意する
  補助金は全額補助ではなく、「駆除費用の50％を補助、上限5万円」といった形で設定されていることが一般的です。自己負担額も発生するため、事前に補助金の上限額を確認しておきましょう。
• 申請期限を守る
  補助金の申請には期限が設けられていることが多いため、駆除作業完了後、速やかに必要書類を提出することが求められます。期限を過ぎると補助金を受けられない可能性があるため、注意が必要です。
• 業者選びは慎重に
  悪徳業者による高額請求や不正申請を防ぐため、信頼できる業者を選びましょう。口コミや自治体の指定業者リストを参考にするのも有効な方法です。

申請方法のまとめ

補助金を活用したハクビシン駆除は、経済的な負担を軽減する上で非常に有効ですが、申請の流れを理解し、適切に手続きを行うことが重要です。

まずは、市役所で補助金制度の有無を確認し、必要な書類を準備した上で、指定業者に見積もりを依頼しましょう。

事前申請が必要な自治体も多いため、スムーズに手続きを進めるためには、早めの情報収集が不可欠です。補助金を活用することで、適正な費用で安心して駆除を依頼できるようになります。

市役所で確認すべき補助金の詳細

市役所では、以下の点について詳細を確認することが重要です。必ず始めに確認してから駆除業者を探しましょう。　

ハクビシン駆除の補助金を活用する際のポイント

ハクビシン駆除の仕方と最適な方法

ハクビシンの駆除にはいくつかの方法がありますが、効果的な対策を講じるためには、適切な方法を選ぶことが重要です。以下では、一般的な駆除方法とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

1. 捕獲トラップを使用する方法

ハクビシンを物理的に捕獲する方法です。捕獲許可が必要な場合があるため事前に確認が必要です。

2. 忌避剤を使う方法

市販の忌避剤を使用し、ハクビシンを寄せ付けないようにする方法です。

3. 侵入経路を封鎖する方法

ハクビシンが侵入する穴や隙間を塞ぐことで、住みつくのを防ぐ方法です。

4. 専門業者に依頼する方法

最も確実かつ安全な方法は、ハクビシン駆除の専門業者に依頼することです。自治体の補助金を活用すれば、費用負担を軽減できる可能性があります。

駆除費用の相場と補助金の適用範囲

ハクビシンの駆除費用は、業者に依頼するか自分で行うかによって大きく異なります。また、自治体の補助金制度を利用することで、経済的負担を軽減できる場合があります。

1. 駆除費用の相場
ハクビシン駆除の一般的な費用相場は100,000～300,000円のようです。広さや侵入経路の数、頭数などによって金額は左右されます。内訳は以下の通りです。

駆除にかかる費用内訳

駆除方法	費用相場
害獣捕獲申請の代行	10,000～50,000円
追払い	500～1,000円
捕獲ゲージ設置	15,000～50,000円
捕獲・回収処理	20,000～30,000円
侵入経路の封鎖	700～900円/㎡

駆除後にかかる費用内訳

作業内容	費用相場
巣の回収・清掃	10,000～30,000円/㎡
殺菌消毒処理	500～1,000円/㎡
ノミ・ダニ殺虫駆除処理	1,000円
侵入口の封鎖	2,000円～（大きさによって異なる）
被害箇所の修復処理	2,000円～/㎡

他にも項目がありますし、費用は業者によって異なるため事前に見積もりを取得し、比較することが重要です。

2. 補助金の適用範囲
自治体によっては、ハクビシン駆除に対する補助金制度を設けています。適用範囲は自治体ごとに異なりますが、一般的には以下のような条件で補助されます。

補助金の申請には事前手続きが必要な場合があるため、市役所などで詳細を確認しましょう。

悪徳業者に注意！信頼できる駆除業者の選び方

ハクビシン駆除を依頼する際、悪徳業者に引っかからないよう注意が必要です。信頼できる業者を選ぶためのポイントを紹介します。

1. 見積もりを複数業者から取る

悪徳業者は相場よりも極端に高額な請求をしてくることがあります。複数の業者から見積もりを取り、適正価格かどうかを確認しましょう。

悪徳業者は考える時間、比較する時間、誰かに相談する時間を与えないためにこんな言葉で即決させようとしてくるかもしれません。

「今すぐやらないと危険」
「次の地震で家が崩れて生き埋めになるかも」
「家が崩れたらその時は費用が何千万とかかってしまう」

これは悪徳業者の常套手段です。「すぐには決められないので今日は帰ってください。」と断っても帰らない業者の場合、刑法第130条の不退去罪に該当しますので、警察に電話して来てもらってくださいね。

「今即決してくれたら安くする」と営業トークをされたとしても、だまされるリスクを回避するために一度検討する時間を取ることが大事です。

2. 事前調査の有無を確認する

信頼できる業者は、作業前に現地調査を行い、具体的な被害状況を確認します。調査なしで高額な請求をする業者には注意が必要です。

3. 「追加料金なし」の明記があるかチェック

契約後に「追加工事が必要」などと言われ、高額請求されるケースがあります。契約前に総額を明示する業者を選びましょう。

ただ、実際に現地を見てもらってから追加費用が発生する場合もあります。事前に見積もりを取ってもらって追加費用の内容と金額を記載した明細を確認した後、駆除作業に入ってもらいましょう。

自分でハクビシンを駆除するのは可能か？

ハクビシンは「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」により無許可で捕獲することはできません。

自分で捕獲することはできませんので、出来る範囲で家から追い出したり、侵入経路を塞ぐ対策をしていきましょう。

自分でできる対策

• 忌避剤を使用して追い出す
• 侵入経路を封鎖する
• 捕獲トラップを設置（許可が必要）

注意点

• ハクビシンの捕獲・駆除には許可が必要
• 反撃される危険がある
• 適切な処理をしないと再侵入される可能性が高い

バルサンでハクビシン駆除・追い出しに効果があるのか？

バルサンは害虫駆除には有効ですが、ハクビシンの駆除や追い出しにはほとんど効果がありません。

効果がない理由

• バルサンの成分は哺乳類には強い影響を与えにくい
• 一時的に追い出せても、すぐに戻ってくる可能性が高い
• 侵入経路を封鎖しなければ根本的な解決にならない

ハクビシン対策には、侵入経路の封鎖や専門業者による駆除が最も有効です。専門業者ならハクビシンに効果のある燻煙剤で追い出してくれますよ。

補助金を活用して安心・安全な駆除を行おう

ハクビシンの駆除には費用がかかるため、補助金制度を活用することで負担を軽減できます。

補助金を活用するメリット

• 経済的負担を減らせる
• 信頼できる業者に依頼しやすくなる
• 予防策の施工費用も補助対象になる場合がある

補助金を利用するには事前申請が必要なことが多いため、自治体の情報を確認し、早めに申請を行いましょう。安心・安全な駆除のためにも、補助金を有効に活用しましょう。

ハクビシン駆除補助金を活用するためのポイント

• ハクビシン駆除の補助金は一部の自治体で提供されている
• 補助金の内容や適用条件は自治体ごとに異なる
• 東京都では農業被害対策として補助金を支給
• 山形県山形市では駆除業者への依頼費の一部を補助
• 愛知県日進市では防護柵設置費用の補助が受けられる
• 申請には駆除前の事前申請が必要な自治体が多い
• 市役所や自治体の公式サイトで詳細を確認する
• 補助金対象の駆除業者が指定されている場合がある
• 補助額には上限があり、全額支給されるわけではない
• 悪徳業者に注意し、見積もりを複数取ることが重要
• 自分で駆除するには法律上の制限がある
• バルサンではハクビシンを完全に駆除できない
• 侵入防止対策を同時に行うことで再発を防げる
• 補助金を活用すると駆除費用の負担を軽減できる
• 早めに自治体へ問い合わせて申請手続きを進めることが大切